【記録と解析】矢崎アナログタコグラフ

はじめに

（１）アナログタコグラフの概要

タコグラフは自動車の時々刻々の運行状況を自動的に記録する景気です。

1. タコグラフの基本構造は「速度計」と「時間」の組み合わせです
2. 時計機構にチャート紙を取り付け、時計の動きと同調して回転します。
3. チャート紙は自動車の運行に応じた、法三要素（速度、時間、距離）などを連続的に記録します。

（２）アナログタコグラフの種類

本投稿では、平型タコグラフATG21について解説いたします。

第1章　平型タコグラフ（ATG21）の種類と記録

（1）平型タコグラフ（ATG21）の種類

■外観

■製品一覧

【機種】

• 2SN　速度・距離記録
• YSN　速度・距離記録・予備記録
• 4S　　速度・距離記録・運転者交代記録・予備記録
• RS　　速度・距離記録・エンジン回転記録

【時計（カートリッジ）】

• D　1日用チャート紙をセット可
• W　7日用チャート紙をセット可（S-7用チャート紙で1日用として使用可）

■カートリッジ

（2）チャート紙の記録

ATG21のカートリッジに装着するチャート紙（記録紙）には、次のようなものが記録されます。

1. 速度記録：車両が走行した速度を時間帯に記録します。
2. 走行距離の記録：各走行区間における走行距離の記録は、山形の線で描かれるので、この山の数を数えれば、走行距離がわかります。なお、記録線が横に記録されている場合は、車両が停車していることをあらわしています。
3. 運転者交代の記録：運転者別に速度・時間・距離を、それぞれ記録します。なお運転者の交代は、記録線の幅の大小によって判断します。
4. 予備記録：電気的な信号による任意記録です。（例：荷台の開閉記録やリフトの作動記録）
5. エンジン回転記録：エンジンの回転数を時間帯に記録します。

（3）チャート紙の種類

平型タコグラフ本体の機種（エンジン回転記録の有無）・最高速度（90/120/140　km/h）・時計・カートリッジ（1日用/7日用）に合ったチャート紙をご利用ください

チャート紙の一覧

※6日用チャート紙はございません。

指導速度を明確にするための赤ライン入りチャート紙もございます。（例：60km/h・80km/h）

（１）記録の読み方

【a】6時14分頃：チャート紙を装着したカートリッジを挿入

【b】6時35分頃～6時51分頃：積荷地点まで運行（走行距離＝11.5km）

【c】6時51分頃～7時15分頃：積荷時間（車両はとまっています）

【d】7時15分頃～7時53分頃：積荷配達中の運行（最初の荷降ろし中は運転者交代記録が車両停車中も稼働しているため、エンジンを止めていないことがわかります）

【e】7時53分頃～8時11分頃：車両が約18分間休止しています

【f】8時11分頃～8時46分頃：次の目的地までの運行を示し、同時に非常に安定した経済的な運行と判断できます

【g】8時11分頃～8時46分頃：この間の運行距離は25kmであることがわかります

【h】8時46分頃～9時20分頃：約34分間休止しています

【i】9時20分頃～9時57分頃：積荷配達中の走行

【j】10時24分頃～10時47分頃：積荷はいたつからの帰還走行（側道が一定していない、もっとも不経済な運行状況を示しています）

【k】6時35分頃～7時53分頃：A運転者 │8時11分頃～9時57分頃：B運転者　│　10時20分頃～10時52分頃：C運転者

【l】11時50分頃：運転終了。カートリッジを本体から抜き出しています。

（２）カートリッジ装着時のスタート記録

（３）速度記録と走行距離記録

（４）速度の記録の0点

（５）エンジン回転記録

（６）不具合時の記録

（７）故障時の記録①

（８）故障時の記録②

（９）故障時の記録③

（１０）故障時の記録④

（１１）故障時の記録⑤

（１２）不正操作の記録①

（１３）不正操作の記録②

（１４）運転技術を高めるための管理方法

第３章矢崎によるチャート解析

（１）事故記録のチャート解析例

（２）チャート紙に記録される事故記録①

（３）チャート紙に記録される事故記録②

（４）チャート紙に記録される事故記録③

（５）チャート紙に記録される事故記録④